ニキビ
ニキビとは、前額部(おでこ)、頬、口の周り、下あごなどにできる発疹をさし、おもに思春期から青年期にかけてよくみられます。この発疹は、毛穴に皮脂がたまり、出口が炎症を起こして小さく隆起したもので、すぐに治ってしまう軽いものから、ニキビ痕として跡を残してしまう重症のものまであります。
思春期にできるものが「ニキビ」、大人になってからできるものが「吹き出物」といわれることがありますが、実は両者の区別はなく、同じもの。どちらも「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」という皮膚の病気の通称です。
原因
ニキビの原因はさまざまですが、大きな要因は次の3つです。
- 毛穴の閉塞
- 皮脂の過剰な分泌
- 「アクネ菌」というニキビの元となる菌の増殖
肌は、約6週間のサイクルで角質がはがれおちて新しい皮膚細胞に生まれ変わる「ターンオーバー」を繰り返しています。通常、皮脂は毛穴から汗とともに排出されますが、ターンオーバーがうまくいかない場合、毛穴の角質が厚くなり、毛穴の出口が塞がれ、皮脂が詰まってしまいます。
そうすると、皮脂を栄養源にしている「アクネ菌」が過剰に増殖し、炎症を起こして発疹ができる、つまりニキビとなります。
角質の肥厚のみならず、皮脂が過剰に分泌しすぎると、やはり毛穴を塞いでしまいます。
特に思春期に増加する男性ホルモン「アンドロゲン」には皮脂の分泌を高める性質があります。思春期にニキビの発生が多いのは、この影響と考えられます。
ニキビの種類
白ニキビ
ニキビの最初の段階。毛穴に皮脂が詰まり、古くなった状態。ニキビの患部が薄い皮膜で覆われて表面はまだ閉じており、発疹が白~乳白色に見える。
黒ニキビ
白ニキビが少し進行した状態。皮脂が盛り上がってニキビ患部の毛穴が開く。そこが空気にさらされ、酸化して黒っぽく変色したもの。
赤ニキビ
黒ニキビがさらに進行、悪化したもの。毛穴に詰まった皮脂に雑菌や細菌が繁殖し、炎症を起こしてニキビ患部の周りが赤く腫れあがった状態。
ニキビ跡
赤み
ニキビの炎症が残っていたり、毛細血管が透けて見えている状態。
色素沈着
炎症後の色素沈着。皮膚を守ろうとしたメラニンが原因とされる。
クレーター
ニキビの炎症が激しく、凹凸になった状態。
炎症後の色素沈着はほとんどの場合、時間経過とともに肌のターンオーバーによって目立たなくなっていきます。しかし、クレーター状態のニキビ跡は治りにくく、人によってはケロイドのような状態になります。
手で触りすぎるなどの刺激でニキビが悪化して跡が残りやすくなります。悪化してしまう前にケアをしていきましょう。
治療法
スキンケア
1日2回、刺激の少ない洗顔料をよく泡立ててやさしく洗いましょう。すすぎ残しがないように、ぬるま湯でしっかりすすぐことが大切です。
充分な睡眠時間の確保
睡眠不足はニキビを悪化させると考えられています。皮膚の回復を助ける成長ホルモンは夜眠っている間に分泌されます。
清潔を保つ
手以外にも肌に触れるタオル、枕カバー、シーツなどは常に清潔を保ちましょう。
バランスのとれた食事を摂る
栄養バランスを意識した食生活を心掛け、食事を抜いたり、過度なダイエットをするなど栄養が偏る食生活は避けましょう。ビタミンの摂取はニキビ予防にも繋がります。
軟膏や飲み薬の利用
ニキビの症状がひどい場合はアクネ菌を殺菌するための抗菌剤の軟膏を使ったり、ニキビの炎症を抑える内服薬を飲んだりします。